神戸こどもblog

保育士の資格がとれる専修学校「神戸こども総合専門学院」のブログです。六甲山の西、標高407m、豊かな自然のなかにあります。
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絵本『ロミラのゆめ』

『ロミラのゆめ ヒマラヤの少女のはなし (絵本)

金田卓也(かねだたくや)文+金田常代(かねだつねよ)絵
偕成社 1300円+税
1982年11月発行
34p 中型変型(縦227×249)厚10mm 上製 400g
ISBN 978-4-03-331070-1

※現在、出版社では品切れです。
図書館か古本で読んでください。

豊かな自然と少女と、美しい絵本。心のプレゼント絵本。


少女ロミラは、朝早く起きて水くみをし、
牛のお乳をしぼり、
やぎたちを山の牧場に連れてゆきます。

その頃はもうお昼になり、
木の実をつんで食べ、草原で少し昼寝をしました。

目をさますと夕焼け空。
急いで家路につき、よく働いたので両親にほめられます。

そしてその夜、すてきなことがありました。


これだけのストーリだったら、よくありそうな話ですね。
しかしこの絵本から、私は2つのことを学びました。



※記事とは関係ありません



お話の舞台は、ネパールの小さな村。
電気が通っている最後の町から
山道を何日も歩いてやっとたどりつける村。
世界の屋根ヒマラヤにある
マチャプチャレ(6993メートル)が見えます。


 天にも とどきそうな ヒマラヤは、
むかしから
かみさまの すむところと
しんじられて います。

 
お話は、この一文から始まります。

ロミラは朝も昼も働いています。
学校には行かないのかな?
と、ちょっと心配しましたが、
絵本を裏返すと、
黒板に向かっている子どもたちと先生らしい人が描かれていました。
ああ、勉強もしているんだ、と、安心しました。


村に朝がやってきて、
そびえるマチャプチャレの中腹に雲がたなびいています。
雲の下には、
朝日に輝く田園と森と一軒の家と水牛と
水牛を連れた一人の男が描かれています。

夜明けなので、
高い空はまだ藍色、
その藍色から朝日に映し出される
地上のやや明るい色へと、
グラデーションがとても美しい。
この絵本の展開を示唆するようです。


やぎたちを牧場に連れて行くとき、
川を渡らなければなりません。

もちろん、橋なんぞありません。
マチャプチャレの氷河が溶けて流れ出した水なので、
凍りそうなぐらい冷たいのです。
ところどころに顔を出している石を渡り歩くのです。




こやぎを抱いてロミラは川を渡ります。


ロミラの うでの なかで、
ふさふさした けに おおわれた こやぎの しんぞうが、
どきどきと みゃくを うっています。

 
あたたかい体温も伝わってくるようです。


やっと 山の うえに つきました。
むしゃむしゃむしゃ、
やぎたちの くさを かむ おとだけが きこえてきます。

 
どれほど静かなのか、想像できますね。


絵本の作者は「あとがき」で

小鳥の声で目をさまし、
動物たちといっしょの生活なんて、
すてきだと思いませんか。

そこで暮らす子供たちは、
どの子もきらきらと輝く目をしています。
過保護に育てられた日本の子供たちには、
想像もできないハードな生活ですが、
いっしょうけんめい生きる姿には深く心を打たれます。

と記しています。


日本の子どもと比較して……という部分は
一般的な見解として受け取りたいと思いますが、
ロミラの働きぶりには
確かに心打たれるものがあります。

なぜでしょう?
それを考えてみるだけでも、
この絵本の値打ちがあるでしょう。

世界中、この地球に、
人がいればそこに子どもは必ずいる。
子どもたちは与えられた環境で、
精一杯生きている。

そういう感慨を持ちました。
学んだことの1つはこのことです。
なんだか当り前のことを言っているようですが、
この絵本にはそういう力を感じます。



 
その「そういう力」を考えてみました。

 ロミラの目も、
水牛の目も、
こやぎの目も、
おとうさんの目も、
おかあさんの目も、
どれも同じに見えるのです。

動物の目は人間の目のように見えます。
はじめは不気味でした。
ずーっと考えて、ああそうか、
これは「かみさま」の目なんだな、と気づきました。


始まりの一文の中に
「かみさま」があります。

草原でロミラが昼寝をしたとき、
クリシュナさまのぶらんこに乗せられます。
クリシュナさまはヒンズー教のかみさまです。

そして、その夜、
ロミラはかみさまから
ごほうびを贈られるのです。


絵本の作者は
「かみさま」を目に描いたように思います。
そうすると
改めて「かみさま」とは何か、
と考えてしまいます。

学んだことの2つめはこのことです。





グラデーションがとても美しい夜明けから、
このお話は始まりました。

お話は、星空を迎えた同じ景色で終わります。

よく練られた構成に感銘を受けました。
 「絵本にっぽん賞」を受賞した作品です。

 
主人公のロミラは、
その村でぼくと毎日楽しく遊んだかわいい女の子です。
ですから、
ここに書かれたことは、
ほとんど実話と考えてもさしつかえありません。

重い水がめを背負うロミラ、
山羊を追うロミラ

小さいながらいっしょうけんめい生きているロミラの姿は、
今もぼくの目に焼きついて離れません。

( 「あとがき」より )


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